こんにちは、均整師&パーソナルトレーナーの北野です。
最近当院(きたの均整院)に来院する20代、30代のお客様で「朝食抜き」が多いのです。
厚生省の国民栄養調査では、20代男性の約3分の2が朝ご飯を食べていないといいます。
若い男性だけでなくOLや主婦、中高生にも増加が見られるらしいです。
朝食欠食率
朝食を摂る習慣のない人の割合のことを指します。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の経年変化によると、成人における朝食の欠食率は平成19年以降、男性15%程度、女性10%程度で推移しています。
(最終更新日:2019年6月14日)
なぜこんなに朝ご飯を食べなくなってしまったのでしょうか。
それとも特に必要性のない習慣なのでしょうか。
結論から言うと、「朝食は絶対必要です!」
その理由について今回は「朝食を食べるメリット」というテーマについて詳しく解説したいと思います。
朝食を食べるメリット・デメリットを分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
朝食抜きは太るために有効な方法
お相撲さんは朝ご飯を食べません。
早朝から稽古に励み、十分に汗をかき、お腹を空かしてから、ちゃんこ鍋を食べるという伝統を守っています。
また、世界中の多様な民族の中には、1日2食とか、あるいは不規則食という習慣もあるようです。

朝食は食べず朝稽古後のちゃんこ鍋
ということは、朝、昼、夜の3回に分けて食事をとることが、絶対に良いとは言えない気もしてきますね。
朝ご飯を食べるべきか、食べざるべきか・・・いっしょに考えてみましょう!
まず、お相撲さんの例から説明していきます。
これは、太るために有効な方法と考えられます。
ここでは、稽古で空腹にしてからいっきに早食いするので大食いができます。
つまり、満腹の信号が脳で作られる前に、飲み込んでしまおうという方法です。
詳しく言うと、大脳の視床下部にある満腹中枢が、血糖の上昇で市刺激されるとき、満腹感が作れれて食欲がなくなります。
その前に、胃袋の中に多量に詰め込んでしまおうというやり方です。
よく、早食いは太るといわれるのはこのためなのです。

満腹中枢のメカニズム
また、あわせて食後に昼寝をすることは、食べたものを脂肪に変えて蓄えるのに効果的です。
ところが、太りたくないので1日2食にしているという人がいます。
食事回数を減らす分、カラダは蓄積タイプになり、痩せるどころか脂肪過多になりやすいのです。
食事のカロリーだけを制限したダイエットでは、省エネタイプ(基礎代謝が低下してしまうこと)になってしまうので、脂肪のつきやすいカラダになり、リバウンド現象を生みやすいのです。
また、時間がないので朝はつらくないという人も多いです。この場合、朝を抜いた代わりに昼食や夕食が多量になったり、夜食を食べてしまうことが多いのです。
一度にたくさん食べることや、夜寝る前に食べるのは、脂肪を蓄積することになりやすく、健康のためには避けたい習慣です。
また夜食により夜更かしの習慣が増長されやすく、より生活習慣の悪循環を生むことになりやすいです。
朝食をとる”うれしい”メリット
それでは、朝食べると良いことがあるのか説明していきます。
まず第一に、一日の活動のエネルギーを補給することができるという効果があげられます。
前日の夕食から後は何も食べていないとすれば、10時間以上何もお腹に入れていないことになります。
これは活動のエネルギー源である糖質が少なくなっている状態です。
もう一つのエネルギー源である脂質は、体脂肪として十分な蓄えがありますが、残念ながら実際にエネルギーとして使うためには糖質が十分でなければなりません。
朝ご飯で糖質を補給しなければ、通勤や通学、午前中の仕事や身体活動が元気よく活発にはできないことになります。
また、エネルギー源の補給により、カラダ全体が目覚める効果があります。
食べ物を消化するために胃や腸は活発に働き始め、血流も増し、体温や血圧も定常時まで上昇します。
食事という行為によって、脳も目を覚ますのです。
午前中ボーっとしている子供が多くなりました。そのような人たちは、カラダも脳も目覚めないままで登校や出勤をしてくるためなのです。
朝ご飯を食べないことで、代謝量が向上せず、そのために低体温のままだったり、元気が出ないという事が原因として大きいと考えられます。
太りにくいカラダづくりにも朝ご飯は役に立ちます。
先に、夜に食べたものは脂肪として蓄えられやすいといいました。
反対に、朝食の脂質や糖質は、その後、午前中の身体活動に際して、活動のエネルギーに転換されやすいです。
脂質をエネルギーに変えて使うには、それなりの習慣化が必要です。
朝に脂質も食べて、それを活動のエネルギーとして使う習慣というのは、体脂肪を分解して、血液中に遊離脂肪酸として放出し、それをエネルギー源として使う仕組みを活性化することにつながります。
運動中は少ない糖質を控えめに使い、蓄えのきく脂肪を多く使うという、エネルギーを長続きさせて使う方法をカラダが覚えて、持続的な運動も楽にできるようになります。
それでは、次に朝ご飯をとる方が良い理由と、朝食を抜いた生活の弊害についてまとめてみます。
- 血糖値を元に戻し、午前中のエネルギーを補給する
- 代謝を高め、カラダを目覚めさせる
- 体温や血圧を定常状態に上昇させ、活動の準備をする
- 血糖値が上昇し、満腹中枢が刺激されることで次の食事の過剰摂取を抑える
- 脂肪の燃焼しやすいカラダづくりになり、肥満を予防する
- 家族や仲間とのコミュニケーションに貢献する
- 睡眠からカラダがなかなか目覚めない
- 体温や血圧が一定の値に上昇するのが遅れやすい
- 血糖値が戻りにくく、元気がでない
- 午前中の運動やスポーツ活動に必要なエネルギーが不足し、トラブルが生じやすい
- 栄養素に偏りが生じやすい
- 体脂肪のつきやすいカラダとなりダイエットではリバウンドしてしまう
- 朝食を食べる習慣の中に入ると馴染めず、ストレスとなる
最後に
朝ご飯を家族で揃って食べることにより、コミュニケーションが満たされる効果も忘れてはいけません。
食事の果たす役割は、決して生物的な栄養摂取だけではありません。
食卓を囲んでの会話や情報交換は、現代社会においてこそ重要になってきていると思います。